アスファルトに咲く花
アスファルトに咲く花は 笑ってなんかいない
空虚な毎日をただぼんやり眺めていたんだ
排気ガスは僕の心を真っ黒に染めていくばかりで
ある日青い空に こぼしたインクのような 丸い風船ひとつ浮かんでいた
少女は困った顔で赤色を見上げて
僕を見つけて 仕方ないねと笑ったんだ
やがて雨が降ってきて 僕はまた一人ぼっちになった
雨音オーケストラは突然止んで
黄色い傘と君の優しさに触れた
時が経って 風が吹いて
僕の希望がオレンジ色の空に飛んでいく
きっとまたどこかで 僕はそう願う
残りの一粒は君が飛ばして
鈍色に囲まれて温もりもない
それでも君に会えた 僕は幸せ
風が吹いてる 僕は揺れている
最後の空を目に焼き付けて 揺れている
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